IT-FRENS&TRACEシステムとは…
2019年04月02日(火)
「鉄道のコンテナって、1つくらい借りっぱなしでもバレないんじゃない?」
と、冗談交じりに言われることがあります。
廃コンテナは倉庫として重宝されたりしますし、そう思われるのはよく分かります。
でも、無理なんです。
その理由が、2004年から運用を開始した「IT-FRENS&TRACEシステム」。
IT-FRENSはインターネットを活用した予約システムです。それまでは貨物駅事務所に空き状況を問い合わせたり、予約申し込みを行っていたのを、通運がインターネット上で調べ、直接予約することが可能になりました。1つの列車につき発送可能なコンテナの数は決まっており、その数のことを「枠」といいます。なるべく早く到着しなければならないコンテナと遅い列車でも構わないものを自動的に振り分ける自動枠調整機能により、より効率的にコンテナを目的地へと運ぶことが可能となりました。
TRACEシステムは、個別のコンテナの所在をGPSを用いて即時追跡できる仕組みで、これにより列車上にあるコンテナがどの駅間にあるのか、途中駅で貨車の上に積まれたのか、そうでないのかまで分かるようになりました。また、貨物駅のどこに置かれているのかも分かるため、フォークリフトを使って貨車に積む作業もスムースに。荷役時間の短縮に繋がり、利便性が向上しました。
位置状況の把握のため、コンテナ一つ一つにはIDタグが取り付けられています。長期間駅の外にあると、いつどの通運が持ち出したコンテナなのか、あっという間にトレースすることができる…ということは、冒頭のような、借りっぱなしで…いうことが不可能なのが分かるかと思います。
また、駅の中にあっても、一定期間以上荷物をコンテナの中に入れた状態だと「コンテナ貨物留置料」がかかってきます。こういった料金の算出も、IT-FRENS&TRACEシステムを用いて行っており、複雑な仕組みの輸送運賃算定において、強い味方となっています。
システム導入により、JR貨物だけでなく通運の手間も簡略化されたほか、私有コンテナを持っている会社も、行方不明コンテナを実際に探しに行く手間が省けたそう。一趣味者としては、IT-FRENS導入により、行先や品目の書かれたコンテナ荷票が無くなって淋しくもあったのですが
「昔は、駅や通運さんを一件ずつ訪ねて『すみません、うちのUX-XXXXってコンテナ知りませんか?』って訊いていたんですよ」
というお話しや、過去の枠取りの煩雑さなどを伺い聴くと、システムのありがたさを実感するのでした。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html