Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

乗車できるコンテナがある!!


前回は、乗車できる事業用貨車、車掌車についてお伝えしました。
実は、コンテナ列車に載せるコンテナでも、人が乗れるものがあるのをご存じでしょうか。
リサーチキャビンと呼ばれる事業用コンテナで、ZX45A-1ZX45A-2の2基があります。走行中の機関車の性能を測定するため、検測や計測をするための機器が入っており、コンテナの中に作業員が入ったまま、列車が運行されるのです。
2基しかない上に、常に運用されているわけではなく、運用区間も限定されていないことから、愛好家の中でもレアな存在として知られています。
リサーチキャビンは30ft級の大き目なコンテナで、ステンレスに赤紫の帯をまとっています。窓もついていて、見かけた一般の方からは
「貨物列車ですか?」
と質問されるようなフォルムで、他のコンテナと容易に見分けがつきます。
私も、何度かたまたま姿を見かけたことがあるものの、停車中の貨車の上で、作業員の方がいらっしゃる様子もなく…といった状態。一度、運用中の様子を見てみたいものです。
コンテナ番号の頭にZという頭文字がつくのは、事業用コンテナの証なのですが、リサーチキャビンだけでなく、Zコンテナ全般がレアでもあります。
フォークリフトオペレーターの訓練のため、スケルトン構造になっているコンテナや、機関車の試験時などに用いられる、重しの入ったコンテナなど、用途にとって様々なものがあり、中でも重しの入ったコンテナの中には、過去のJR貨物コンテナ色である「コンテナブルー」が施されたままのものもあり、見かけると心躍ります。
事業用コンテナが活躍しているということは、より良い鉄道貨物輸送のためにJR貨物さんが尽力されているということ。ぜひ、リサーチキャビン、そして頭にZがついたコンテナを探してみてくださいね。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。