Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

鉄オタ選手権!大阪・安治川口駅と吹田貨物ターミナル駅へいざ出陣。


先日、NHK総合「鉄オタ選手権 JR貨物の陣」のロケがありました。このコラムを書いている現在は放送前なので内容については伏せますが、貨物列車ファンとしても、そして元通運社員としても、とても勉強になる時間でした。
ロケは安治川口駅と吹田貨物ターミナル駅で行われました。安治川口駅は、昨年放送されたNHKラジオ第一「鉄旅・音旅 出発進行!」のロケで訪れて以来。その時は夜間、31フィートコンテナが次々に積まれ、そして発車していく様子などをレポートしました。今回は日中ということで、積み荷はないものの写真撮影はしやすく、出演者は皆、合間の時間を使って思い思いに撮影をしていました。
そして、吹田貨物ターミナル駅へお伺いさせていただくのは初となり、機関区など様々な場所を巡らせていただきました。本当にありがたい経験です。
さて、ロケの間にスタッフさんなどから
「小倉さんは通運会社にいたんですよね。吹田や安治川口にもコンテナを送ったりしていたんですか?」
と聞かれました。
実は、名古屋から大阪各駅(吹田・大阪・安治川口・百済)へのコンテナ発送は、数としては少なかったりします。というのも、鉄道貨物輸送は輸送距離が長いほど、トラック輸送よりも利点が多くなる輸送方法。運ぶものや頻度などにもよりますが、大阪~名古屋間は、価格的にトラック輸送の方が有利だと判断されることが多いのです。
もう少し遠い距離ならば、トラックドライバーの休憩時間の兼ね合いや輸送費などもあって、鉄道輸送に切り替えようかと考える荷主さんも多いのですが…この辺りは、営業時にも悩ましいところでした。
そんなわけで、どちらかというとご縁が薄かった2駅。だからこそ、楽しく新鮮な気分でロケに参加させていただきました。とはいえ、貨物駅に入ると、通運時代を思い出してピリッと緊張感も走ります。
詳しくは次回の記事で書きますが、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される、いわゆる「2024年問題」が迫っています。もしかしたら、名古屋~大阪間の鉄道貨物輸送への転換も、解決策のひとつになるかもしれません。
質問に答えながら、そんなことも考えたロケの日でした。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。