ドライバー不足の深刻化が予想される「2024年問題」。鉄道貨物輸送への切替で持続可能な物流に
2023年03月20日(月)
前回(『鉄オタ選手権!大阪・安治川口駅と吹田貨物ターミナル駅へいざ出陣。』)に少し書いた、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される「2024年問題」。働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることにより、物流そのものに混乱が生じるといわれています。また、年間の拘束時間についても、原則3300時間にする等の見直しが行われています。それだけ、トラックドライバーの時間外労働が常態化しているということなのですが、今までの輸送状態だと、コロナ禍前である2019年の輸送量と比較して、輸送能力の14.2%が不足することが見込まれています。さらに、今後トラックドライバーが減少することも加味すると、2030年度には輸送能力の34.1%が不足するともいわれています。
輸送状態の改善の中でクローズアップされているのが「荷待ち時間」です。これは、荷積み・荷下ろしまでの待機時間を指します。朝一番に入り口で整理券をもらい、呼ばれるまで待機…病院のようですが、トラックドライバーあるあるです。あそこの病院ってすごく待たされるんだよね、なんて会話をしたことはありませんか?同じような会話が物流業界にもあり、私もドライバーさんから
「えー!あそこに朝イチで行くの嫌だよ。いつもめちゃくちゃ待たされるし」
と言われ、そこをなんとかとお願いしたこと多々。
特に鉄道コンテナ輸送の場合は、荷物を降ろしたコンテナで集荷に向かい、それを駅に降ろして次のコンテナを積むという流れで動いているため、長時間の荷待ちは避けたいところ。
国土交通省、農林水産省、経済産業省の三省で設置された「持続可能な物流の実現に向けた検討会」では、今年1月に行われた検討会および2月に出された中間とりまとめにおいて、待機時間や荷役時間等の労働時間削減に資する措置の検討が行われました。今後、国等の働きかけや法改正により、荷待ち時間の改善が行われ、よりスムーズな物流が構築されることを期待していますし、そうならなければ今後、運びたくても運べない荷物が増えてしまいます。
これまでトラック輸送に分があるとして、鉄道貨物輸送を検討していなかった区間でも、2024年問題、そして今後の労働人口低下を見据えて切り替えを検討する荷主さんもいらっしゃることでしょう。私や多治見通運が、その一助になれましたら幸いです。
ひとつだけ補足を。
多治見通運では、SDGs達成に向けた取り組みの一環として時間外労働時間の削減に取り組んでおり、ドライバーでは一人あたりの月間時間外労働時間は40時間(2018年)から36時間(2019年)に減っています。営業職である私も、繁忙期以外はほぼ定時上がり。労働環境が話題になることも多い運送業界において、とても働きやすい職場でした。そんな環境だったからこそ、タレント活動をしながら勤めることができたり、退職後もこのようにコラムを執筆できているのだと感じています。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html