「未来の貨物鉄道輸送」についてディスカッション—「貨物列車を知ろう!第2弾」
2023年11月14日(火)
11月4日に栃木県小山市にて「貨物列車を知ろう!第2弾」というイベントが開催されました。三部構成で行われ、第1部では、今年『国鉄時代の貨物列車を知ろう』という本を上梓された鉄道ライターの栗原景さんが、ご著書の中から抜粋して当時の貨物鉄道輸送についてお話しくださいました。ヤード集結型の輸送方式がとられていた昭和40年代の貨物鉄道輸送は、貨車を運ぶのにとにかく時間がかかっていました。昭和59年に直行型輸送方式に舵を切り替え、車扱い輸送からコンテナ輸送が主体となって今日に至っています。
それを受けた私が第2部で元通運、そして貨物列車ファンという2つの視点から貨物鉄道輸送についてお話ししました。まず、通運ってなに?何をしているの?どんなものを運んでいるの?といった、このコラムでもお届けしているような内容を解説。そして、災害時の迂回輸送、代行輸送、クロスドック輸送などについてお話ししたほか、偏積事故といった固い話題も。
鉄道コンテナ輸送について知っていただいたところで、いよいよ第三部。栗原さん、私、そしてJR貨物関東支社の方をお迎えし、2024年問題や今後計画されている船舶の共同保有といった明るい話題、そして各々が夢見る「未来の貨物鉄道輸送」について語り合いました。
ご来場の方からは「本当にコンテナ輸送を倍増なんてできるんでしょうか?」といったご質問も。これは、政府が10月に発表した「物流革新緊急パッケージ」を受けての質問でした。この発表では、物流効率化の一つの施策としてモーダルシフトの推進が掲げられ「鉄道(コンテナ貨物)・内航(フェリー・RORO船)の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増すると明記されています。しかしながら、現在の輸送状態では倍増は難しいのが事実。これに関して私もJR貨物の方も「国がしっかりと関与して、鉄道コンテナ輸送のシェアを引き上げる取り組みをしっかりと作っていくべき」と同様の意見が出されました。この話題については、今後このコラムでも詳しく取り上げたいと思います。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html