Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

「未来の貨物鉄道輸送」についてディスカッション—「貨物列車を知ろう!第2弾」

11月4日に栃木県小山市にて「貨物列車を知ろう!第2弾」というイベントが開催されました。三部構成で行われ、第1部では、今年『国鉄時代の貨物列車を知ろう』という本を上梓された鉄道ライターの栗原景さんが、ご著書の中から抜粋して当時の貨物鉄道輸送についてお話しくださいました。ヤード集結型の輸送方式がとられていた昭和40年代の貨物鉄道輸送は、貨車を運ぶのにとにかく時間がかかっていました。昭和59年に直行型輸送方式に舵を切り替え、車扱い輸送からコンテナ輸送が主体となって今日に至っています。

 

それを受けた私が第2部で元通運、そして貨物列車ファンという2つの視点から貨物鉄道輸送についてお話ししました。まず、通運ってなに?何をしているの?どんなものを運んでいるの?といった、このコラムでもお届けしているような内容を解説。そして、災害時の迂回輸送代行輸送クロスドック輸送などについてお話ししたほか、偏積事故といった固い話題も。

 

鉄道コンテナ輸送について知っていただいたところで、いよいよ第三部。栗原さん、私、そしてJR貨物関東支社の方をお迎えし、2024年問題や今後計画されている船舶の共同保有といった明るい話題、そして各々が夢見る「未来の貨物鉄道輸送」について語り合いました。
ご来場の方からは「本当にコンテナ輸送を倍増なんてできるんでしょうか?」といったご質問も。これは、政府が10月に発表した「物流革新緊急パッケージ」を受けての質問でした。この発表では、物流効率化の一つの施策としてモーダルシフトの推進が掲げられ「鉄道(コンテナ貨物)・内航(フェリー・RORO船)の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増すると明記されています。しかしながら、現在の輸送状態では倍増は難しいのが事実。これに関して私もJR貨物の方も「国がしっかりと関与して、鉄道コンテナ輸送のシェアを引き上げる取り組みをしっかりと作っていくべき」と同様の意見が出されました。この話題については、今後このコラムでも詳しく取り上げたいと思います。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

関連記事

小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。