関東~北海道間の列車体系を刷新—より使いやすくなるJR貨物ダイヤ改正
2024年01月15日(月)
引き続き、今年3月に行われるJR貨物ダイヤ改正の話題です。
昨年12月15日にJR貨物から発表されたニュースリリースでは「関東~北海道間の列車体系を刷新します」とあり、新設される列車が紹介されています。注目は、東京(タ)を21:40に発車し、札幌(タ)に翌日21:35に到着する95列車。実はこの列車、過去にも同区間を結んでいた列車で、現在は6095列車という季節列車になっています。手元にある2017年のコンテナ時刻表によると、当時の95列車の荷役線出線時刻は18:27で出発は19:56。そして現在の6095列車は東京(タ)の出発がさらに早く18:32と、当日午後に集荷した荷物を載せるには厳しいダイヤですし、そもそも毎日運転の列車ではありません。「改正前」として95列車と並べてリリースに記載されている3055列車も隅田川12:12発と当日発送したいコンテナでは使いづらい時刻でした。今回の改正により、東京(タ)の発車は21:40とかなり使いやすい設定になりました。気になるのは荷役線出線時刻ですが、大々的にリリースを出しているので、そこまで間は開かないのではないかと思っています。
かつて北へ向かう旅客優等列車の始発駅は上野が主流でした。現在は新幹線にその座を譲り、始発駅も東京に。上野発の夜行列車というフレーズも曲に残るのみとなりました。貨物列車におけるかつての上野駅的存在は隅田川駅であり、現在も東北・北海道方面へ向かう列車の多くは隅田川駅から出ていますが、95列車が好評であれば、今後は北へ向かう東京(タ)発の列車が増えるかもしれません。
また、3月の改正では神奈川地区と北海道間の利便性向上を図るため、現在は隅田川行きとなっている札幌(タ)発上りの94列車が、隅田川や東京(タ)での取り扱いをせず、そのまま新座(タ)、横浜羽沢、相模貨物へ直結する列車として設定されることになりました。この94列車、コロナ禍の最中となる2021年のダイヤ改正により新座(タ)着から隅田川着へと変更されていたもの。現在、横浜羽沢は前日朝に札幌(タ)を出発し翌日朝到着する列車が1本設定されていますが、相模貨物は東京(タ)経由で3日目午前着、新座(タ)に至っては隅田川経由で3日目午後着とかなり到着が遅くなっています。新座(タ)は前述のとおり、2021年3月のダイヤ改正までは94列車が翌日午後に到着していました。北の大地からの直通列車が再びやってくるのは、かなり大きな動き。毎年、ダイヤ改正のリリースや時刻表とにらめっこしていると、様々なストーリーが見えてきて興味深いです。
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