岐阜貨物ターミナル駅公開とE&S駅について
2024年03月01日(金)
ひっそり立つ石碑
2月17日に、岐阜貨物ターミナル駅も立ち寄りポイントの一つとなったJR東海さわやかウォーキングに参加しました。ウォーキングイベントの中に貨物駅公開が組み込まれるという形が増えてきて、嬉しい限りです。
岐阜貨物ターミナル駅といえば、日本ではじめて着発線荷役方式(Effective & Speedy Container Handling Systemの略、以下E&S)を採用した駅です。それを記念した石碑があるときいていたのですが…さっそく入り口近くで見つけました。駅構内は通常通り作業が行われるため立ち入り禁止区間も多く、石碑にも近づけなかったのですが、それでもお目当てのものが見られて満足でした。
E&S方式で荷役時間削減に
2024年問題が取り上げられる貨物輸送業界。危機感をもちトラック輸送から鉄道コンテナ輸送に切り替える荷主も増えていますが、逆に国鉄末期は「国鉄離れ」といわれ、旅客や貨物利用者が減少していました。
1984年2月には国鉄ダイヤ改正が行われ、輸送時間が長く到着日も不明瞭となる要因だった、ヤード集結型輸送を全廃。貨物列車のコンテナ化が一気に進められました。その2年後の1986年、荷役作業時間の短縮を目的として導入されたのがE&S方式の駅です。
現在は全国で31駅が稼働していますが、私が働いていた名古屋貨物ターミナル駅も含め、構内機関車で入れ替え作業を行い、荷役線で作業を行う駅もまだ多くあります。こちらは列車到着から実際にコンテナを取り降ろせるまでの時間、そしてコンテナ積載の締め切り時間から列車が発車するまでの時間はE&S駅に比べ平均して3時間ほど多くかかっています。
(E&S駅に関する詳細は、当コラム「横浜羽沢駅リニューアル開業」をご覧ください)
タイパでははかれない貨物鉄道輸送のメリット
先日、鉄道コンテナ輸送復権に関するインターネット記事に対し
「でも結局最初と最後はトラック輸送だし、時間がかかる」
というコメントが載っていました。実際には長距離輸送の場合リードタイム的にもトラック輸送に負けてはいないのですが、複合輸送ということでどうしても時間はかかってしまいます。
「タイパ」が重要視される昨今、貨物鉄道輸送は前時代的だといわれることもありますが、時間だけでははかれない数々のメリットがあるのもまた事実。ウォーキングイベント開催によって、様々な方に貨物鉄道輸送のことを多角的に知っていただければと思います。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html