低床貨車導入で広がる輸送の選択肢
2024年03月15日(金)
40ft海上コンテナ輸送の実証実験
昨年11月に大館駅と新潟貨物ターミナル駅で40ft海上コンテナを鉄道輸送する実証実験が行われました。高さの高い40ftのコンテナは、現在使用されている貨車では通れる線区が決まっていますが。実証実験で使用されたのは低床コンテナ車であるコキ73系。実証実験が順調に進んで低床貨車が導入されれば、海上コンテナのスタンダードサイズである40ftコンテナを線区問わずそのまま載せることができ、輸送の効率化が図れます。
国土交通省が設置した「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」においても、課題の一つとして「国際海上コンテナの海陸一貫輸送への対応」として実証実験を進める旨記されており、冒頭の輸送も国土交通省鉄道局が実施しました。
コキ73系と低床貨車の持つ可能性
コキ73は2016年に製造されて以来、試運転や改良を繰り返してきました。2019年には陸送で大阪貨物ターミナル駅に入り、その姿を金網越しに確認した私は、いよいよ海上コンテナが縦横無尽に日本の鉄路を走るのかしらと興奮しました。
しかしながらまだ実証実験段階で、車両の量産化が見えていないのは事実。本来でしたら2021年には東海道本線や山陽本線で運用を開始する予定だったので、計画からは遅延気味です。2018年から、運用に入るコンテナ車が全てコキ100系列になったことで汎用コンテナが20㎥級となったように、低床貨車が通常運用に入れば、輸送のかたちが大きく変わるかと思います。大型のトレーラーが貨物駅に入ることで、駅の改良などもされるでしょうし、各臨海鉄道はそのポテンシャルを大きく発揮するでしょう。
2024年問題や貨物鉄道輸送を現在の10倍にするという国の計画にも大きく寄与するであろう低床貨車の開発。今後の進展が楽しみです。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html