Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

鉄道コンテナなんて需要がない?そのイメージと現実とは

貨物鉄道輸送へのコメント

先日の記事でも少し話題に出したのですが、インターネット上で貨物鉄道輸送に関する記事が出ていると、ついついコメント欄を見てしまいます。

 

「5トンコンテナでしょ?そんな中途半端な大きさだから使えないんだよ」
「悪天候ですぐ止まるんだから需要なんてない」
「長い鉄骨とか運べないじゃん」

 

コメントは過激なものの方が目につきやすいとはいえ、これまでコンテナ輸送のあれこれをお伝えしてきた立場として、こういった言葉を見ると悔しくなります。

 

気を取り直して…そもそも、貨物鉄道輸送を使わなくてはならないということではないのですから、荷物が合わなければ使わなければ良いわけです。ただ、荷主側では難しいと思っていた荷物でも、通運側から見れば1・2点改善すれば効率よく鉄道コンテナ輸送に切り替えられるパターンもあるので、相談だけでもいかがですか?というのが個人的な意見ですし、営業時にも丁寧にヒアリングしていた部分でした。

 

実は優秀!鉄道コンテナ輸送の定時運行率

悪天候ですぐに止まるというのは鉄道コンテナ輸送で多く持たれるイメージですが、2022年度の定時運行率は92.0%。定刻から24時間以内に到着した列車の割合は99.9%です。リードタイムに1日余裕を持たせれば、安心して荷物をお任せいただけます。天候不良で列車の遅れが予想される場合には、予めほかの輸送手段のご提案や、前出し後出しなどをご提案するのも通運の大切な仕事です。これは通運もJR貨物も同じで「全国の天気を365日気にしている」というのは鉄道貨物業界あるあるです。
長い鉄骨なども、専用のコンテナで運んでいます。丸鋼などを運ぶコンテナは無蓋タイプで、荷物が積載されていない時には複数のコンテナを積むことができるという優れもの。ただこちらは荷主や通運が所有する私有コンテナとなるため、一般荷主は利用できません。こういったものは従来通りの輸送方法でも良いでしょう。無理に変える必要はないのです。まずは変えられるところから変えてみる。複数の輸送手段をもてるよう、積み方や積載量、ロットなどを見直してみる。それだけで、事業所単位だけではなく、ひとりひとりのSDGsの取り組みへも繋がります。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。