Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

貨物列車には欠かせない機関車の話

貨物列車の主役は貨車だけど…

私は高校1年生の時にタンク車が好きになって以来、貨物列車が鉄道趣味の中心となっています。コンテナ列車の魅力に引き込まれたのは多治見通運に勤務してからですが、そこからもう一つ、見方が変わったものがあります。

それは、貨車をけん引する機関車。元々「貨物列車の主役は貨車(貨物)だ」というフレーズをメディアで発しており、趣味としては貨車>機関車という構図だったのですが、通運目線で見ると、どんな機関車にけん引されるのか、機関車が交換されるのかといったことを気にすることで、よりスムーズにコンテナを輸送できることもあるのです。

 

機関車交換とリスク低減

日本の鉄道路線は電化されている区間と非電化区間に分かれ、電化されている区間でも、直流なのか交流なのかといった違いがあります。電気機関車も、直流区間のみ走行できる車両形式や、反対に交流区間のみ走れるもの、交流でも直流でも走ることができる形式があり、機関車の交換が少ない列車や、付け替えが多く発生する列車など様々です。

過去に「台風によるダイヤ乱れで機関車の都合がつかない」という理由で、コンテナが中継駅から動かせないことがありました。急ぎのコンテナだったため、他通運と連携して途中駅から直接トラックで運ぶことで事なきを得ましたが、こればかりは予想することができません。貨物列車の主役は貨車と機関車両方なのだと実感し、可能な限り途中駅での機関車交換が少ない列車(ルート)を選ぶことも、輸送リスクを減らせるのだと思ったのでした。

 

多治見通運近辺で見られる機関車たち

さて、多治見通運の拠点である多治見駅、そして名古屋貨物ターミナル駅は両方とも直流電化区間となりますが、近年では交直流機関車のEF510形が乗り入れるようになりました。

また中央本線の西側、通称中央西線はEF64形の天下だったのですが、南松本からやってくるタンク列車の牽引としてEH200形もやってくるようになり、時代の変化を感じています。

名古屋近郊にお越しの際は、貨物列車、そしてぜひ多種多様な機関車もチェックしてみてください。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。