通運という仕事は何をしているの?
2018年09月14日(金)
皆様、こんにちは!鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザーとして活動している小倉沙耶です。
前回からスタートしたこのコラム「通運ってこんなにおもしろい!」。第一回では、現在、通運という言葉は法的に存在しないけれど、今でも一般的に使われているという話や、通運事業の歴史についてお伝えしました。今回は、通運という仕事は何をしているのか、というテーマでお話ししたいと思います。
日本に鉄道貨物輸送が誕生した時にその取扱いを行っていたのが、前回(『『運送』でも『運輸』でもない 「通運」って何かごぞんじですか?』)お伝えした「陸運元会社」です。取扱い内容は、発着駅における積卸しや集荷・配達、鉄道を利用した運送の手配など。これは、現在も変わらない通運事業の主業務です。
鉄路を使い、発着駅から到着駅まで貨物列車を安全に運行するのが、JR貨物さんをはじめとした鉄道輸送会社さんのお仕事。通運は発のお客様の荷物をコンテナへ積み、トラックで発送駅まで運ぶこと、そして到着駅にやってきた荷物の載ったコンテナをトラックで配達先へ輸送することがメインになります。では、どんな列車に載せて、着駅ではどの通運に配達を依頼するか、料金のやり取りは…さて、どうしましょう。
旅客列車ならば、自分で列車を選び、乗り換え、到着したら目的地まで徒歩でもバスでもタクシーでも好きな手段を選べます。え?そういうのはちょっと面倒で、旅行会社にお願いしてる?そう!通運はまさにコンテナ輸送においての旅行会社的な存在なんです。
鉄道貨物輸送は鉄道とトラック輸送を組み合わせた複合一貫輸送であり、複数の会社を通すこともあって、運賃の計算や料金などの収受がとても複雑です。そのため、鉄道会社と荷主の間に立つ存在として通運があります。初のお客様のご要望を伺い、料金と輸送日数をご案内。着地までの最適な列車を選び、着通運に配達を依頼します。
無事集荷が終わり、列車に載せた後も気が抜けません。輸送障害は起きていないか、遅れていないか、もし遅れていたら所定の列車に繋がるのかどうか。列車の到着日はいつ?遅れるなら着の通運さんと連携をとらないと…と、全国に運ばれたコンテナの行方をしっかりチェックし、お約束の日時に確実にお届けできるよう、日々業務を行っています。