E&S方式によるメリット。荷役線出線時刻と持込締切時刻のはなし
2019年08月15日(木)
前回はE&S駅の概要についてお伝えしましたが、今回は通運の現場としてのお話しです。
前々回でお伝えしたコンテナ時刻表の左側には、太字で荷役線出線時刻、そして括弧でくくって発時刻が書かれています。普通の列車の場合は出発時刻が大切ですが、コンテナ列車の場合は、出発前に編成を完成させなければなりません。ですから、荷役線出発時刻が先に書かれているのです。
そして、コンテナ車への積み込み作業の締め切りは、もう少し前になってきます。これを「持込締切時刻」といい、通運にとっては何よりも大切な時刻となります。
普段、持込締切時刻がギリギリになるような配車は組みません。積み込みを行っているドライバーさんの負担がとても大きくなるからです。しかし、荷物が揃わなかったため積み込みが大幅に遅れてしまった、どうしても早めの列車に乗せなければならない等々トラブルや事情があり、やむを得ない場合もあります。
また、到着列車が遅れた場合、駅には着いているものの、入れ換え作業等の関係でなかなか荷役線に入ってこないことも。
E&S方式の駅では着発線で荷役作業を行うことができるため、従来の貨物駅に比べて荷役時間を大幅に短縮できるようになりました。そのため、荷役線出線時刻と発時刻はほぼ変わらないことが多く、従来駅に比べて持込締切時刻にも余裕が生まれました。持込締切時刻に余裕があり、発着ともにスムーズな荷役作業が行えるE&S駅は羨ましく感じますし、もっと増えてほしいとも思います。
お客様から集荷依頼があった際には、集荷時間と持込締切時間を勘案しながら積載する列車を決めていきます。集荷に余裕が持てるよう、自分のデスクの下敷きには、各列車の持込締切時刻が書かれた表を入れていました。
複数の行き先が連なる列車の場合は発時刻に対して締切時間がかなり早いものもあり、入社当初は間違えないように表へ蛍光ペンで書き込みをして、間違えないように気を付けていたのをよく覚えています。
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