第2回 通運間クロスドック実施【前編】
2024年07月23日(火)
北長野駅と南松本駅の違い
5月29日、通運連携による第二回クロスドック訓練が行われました。クロスドックとは、荷物を開梱することなく積み替えのみ行う拠点や仕組みを指し、災害時において貨物駅を中継地点としてクロスドックを行うことにより、鉄道コンテナ輸送のバックアップ体制をつくることを目的としています。昨年南松本駅で行われた第一回訓練の様子は、このコラムでも4回に渡りお伝えしました。また、鉄道専門誌である鉄道ジャーナルでも執筆を担当し、自然災害などで線路が寸断された際のBCP(事業継続計画)対策として、大きな反響を呼びました。
今回のクロスドック対象駅は、北長野駅。第一回訓練後に行われた意見交換の場において、北長野駅の方が輸送距離を要するものの、駅の規模が大きいため、有事の際には向いているのではないかという意見をもとに選定されました。南松本からは直線距離でも55kmほど離れていますが、コンテナを輸送した宇都宮の栃木県北通運、そして多治見通運のドライバーからも
「インターからの道順が分かりやすい。実際にクロスドックを行うことになれば、たくさんのドライバーが担当することになる。土地勘のない場所を分かりやすい経路で来られるのは、本当にありがたい」
との意見が。栃木県北通運のドライバーは、昨年の南松本駅での訓練でも実際にクロスドック作業を行ってくださった方で
「実は南松本の時に、入り口が分からなくて行きすぎちゃって」
という、初耳のお話しも。コンテナ1基積みでも大型に分類される通運トラックは、とっさの時のう回路に戸惑うこともあるため、先の意見も納得です。
運転手へ負担をかけないシステムづくり
鉄道コンテナはIT―FRENSやTRACEシステムにより、どこでどのような状態になっているのかがリアルタイムで分かるようになっています。貨物駅からトラックでコンテナを持ち出すときも、そのコンテナにどんな荷物が入っているのかといった中身の情報や、どこの通運がどういう意図で運んでいるのかといった、輸送の状態を示す情報などが分かるようになっています。しかし、クロスドック訓練は通常の輸送の状態とは違う、イレギュラーな輸送。しかも、通常立ち入らない駅で、トラックドライバーが伝票の読み込み作業などを行います。なるべくドライバーや現地駅のリフト運転手へ負担をかけずに、システムと伝票上においてスマートな操作を行うかが、今回の肝となりました。
次回はその様子をお届けします。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html