自然災害と鉄道貨物輸送のはなし
2019年10月01日(火)
近年、台風などの自然災害により、交通網のみならず生活基盤に甚大な被害をもたらすことが多く、その度に心を痛めています。
鉄道貨物輸送の仕事に携わっていると、自身の住んでいる地域だけでなく、日本各地の気象状況を把握することが必要になります。この連載では第7回で、通運と雪について書きましたが、台風の状況ももちろん気を配ります。積雪予想時と同じく、お客様の荷物を予定通り運べるよう早めに送ることを提案したり、コンテナ以外の輸送方法をご提案することも。
鉄道コンテナの輸送は、JR貨物さん、そして発通運と着通運の連携によって成り立っているということもあり、自然災害で被害を受けたエリアの様子をニュースなどで見る度、その地域の通運さんのご状況が気になります。
今でも、忘れられないやり取りがあります。ある日、台風により甚大な被害を受け、路線が不通になっているエリアの通運さんに輸送の連絡で電話をしました。
「〇〇さん、大丈夫ですか?皆様ご無事ですか?」
「人的な被害はないのでとりあえず大丈夫です。運転再開の時期がまだ見えないので、状況が分かったらまたご連絡しますね」
「分かりました、ありがとうございます。今はお天気の方はいかがですか?」
「空は……すごく青いんですけどね…」
ゆっくりと、ため息をつくかのように仰られた言葉。困難な状況が透けて見えて、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
災害により線路が被害を受け、長期間にわたり不通になることはままあります。今年関東に上陸した台風15号は特に千葉県で猛威を振るい、運転再開まで日数を要しました(現在も久留里線一部区間は運休)。九州や中国地方に甚大な被害をもたらした、平成30年7月豪雨を思い浮かべる方も多いかもしれません。西日本の輸送の要でもある山陽本線が大きな被害を受けたということもあり、物流は混乱。生活物資の輸送などにも大きな影響が出ました。そのような時、鉄道コンテナの輸送はどうするのでしょうか。次回は、線路不通時の輸送方法についてお伝えします。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html