Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

「封印環」って?

突然ですがクイズです。
右と左の19形式のコンテナには、コンテナそのものではなく、取り付けられたとあるモノに違いがあります。それはどこでしょうか。

 

 

正解は…この部分。

 

 

ハンドル部分にどちらも小さな輪っかがついているのがお分かりでしょうか。これは封印環と呼ばれるもので、荷物を積み終わったコンテナに対し「鍵」のような役割として取り付けます。一度封をすると千切らなければ外すことができないため、封印環が取り付けられている=集荷されてからコンテナが開けられていないということになります。また、空のコンテナであっても、列車積載中のコンテナ開扉を防ぐために封印環を使用しています

 

封印環は従来、ブリキ製のものが使用されてきましたが、今年から順次プラスチック製のものに切り替えられています。現在は二種類が混在しており、左のコンテナにはブリキ製、右にはプラスチック製の封印環が取り付けられている…というのが答えでした。

 

封印環にはそれぞれ異なる番号が振られています。この番号はIT-FRENSに入力する必要があり、この仕組みもコンテナのセキュリティ担保の一つとなっています。ブリキ製とプラスチック製では番号のパターンに違いがあるため、どちらが使われているかは画面上でも確認することが可能です。多治見通運名古屋営業所で聞いたところによると、到着コンテナの封印環において、プラスチック製の使用率がかなり上がってきたとのこと。そして、多治見からの多治見通運発送コンテナについては既にプラスチック製に切り替わり、名古屋営業所のブリキ製封印環在庫はあと少しとのこと。私も先日、神戸貨物ターミナル駅に置かれているコンテナを鷹取駅のホーム上からゆっくりと見る機会があったのですが、ブリキ製封印環の減り具合に驚き、今回の記事作成となりました。

 

列車積載中のコンテナであれば必ず、ハンドル部分にくるりと巻き付いている封印環。とても小さくて地味に見えますが、欠かせない存在です。銀色の輪が見られなくなる日はそう遠くなさそう。どんなものなのだろうと気になった方、ぜひ目を凝らしてハンドル部分をご覧になってみてくださいね

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。