鉄道貨物講座での話題2:汎用コンテナ20形式について
2019年12月15日(日)
前回に引き続き、名古屋貨物ターミナル駅で11月17日に開催された「鉄道貨物フェスティバルin名古屋」内「鉄道貨物講座」でお話しした話題の中から、特に反響のあったものについてお伝えします。
前回、12ftコンテナでよく見かける、19Dや19Gといったコンテナの種類についてお話ししました。この19という数字はコンテナの内容積を指し、どちらも四捨五入して19立方メートルの容積があり、19形式と呼ばれています。また、コンテナに真空断熱パネルを使用した、日本石油輸送所有のSUPER URというコンテナは、このパネルの厚さ分の容積が減り、およそ17立方メートルになっているほか、コンテナにエンジンを搭載した冷凍コンテナは16立方メートルと、荷物を載せるスペースが少なくなっています。
これまで、JR貨物の汎用サイズコンテナは19形式のコンテナだったのですが、昨年から、高さが10cm高くなった20形式へと変更されました。この20形式コンテナは19形式と容易に見分けがつくよう、コンテナ上部がハチマキのように白く塗装されています。イベント会場でも、講座後「ハチマキあったよ!」と教えてくださるお子様がいらして、視覚効果は抜群だと感じました。
20形式コンテナは「背高コンテナ」といわれることも。これはもちろん、19形式に比べて背が高いことを表すから。実は昨年まで、背高コンテナが入れない区間がありました。これは、コンテナ車に積載した際、決められた高さ制限を超えてしまう可能性があったためです。国鉄時代につくられたコンテナ車、コキ50000形に20形式コンテナを積載すると、10cmほど高さ制限をオーバーしてしまうため、車両限界に余裕のある区間では運用に入ることがあったものの、シビアな区間では使用NGとなっていたのでした。そんなコキ50000形は昨年3月に運用を終了し、現在運用に就いているのはコキ100系のみです。コキ100系はJR貨物発足後に登場したコンテナ車で、床面の高さがコキ50000形に比べ10cm低くなり、20形式コンテナを積載しても高さ制限内に収まるようになりました。
たかが10cm、されど10cm。鉄道コンテナの便利さはますます広がります。
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