横浜羽沢駅リニューアル開業
2019年08月01日(木)
先日、JR貨物のニュースリリースにて、横浜羽沢駅リニューアル開業の報がありました。これは、JRと相鉄が直通運転をするにあたり、相模鉄道西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近に2.7kmの連絡線を新設、横浜羽沢駅でも改良工事が行われているもので、直通運転開始及びリニューアル開業は2019年11月30日となっています。
リニューアル後の横浜羽沢駅は、全国で30番目となるE&S方式の駅となります。E&SとはEffective & Speedy Container Handling Systemの略で、日本語では着発線荷役方式といいます。その名のとおり、着発線で直接荷役作業を行うことができるため、従来タイプの貨物駅に比べて荷役作業時間を圧倒的に短縮することができます。
従来の貨物駅では、本線から入った貨物列車はまず着発線に入り、その後入換機関車で仕分線に運ばれます。仕分線で入れ換え作業を行った後で荷役線に入り、そこでようやく荷役作業を行うことができるようになります。荷役線はフォークリフトやトップリフターが架線に接触しないように非電化となっていて、電気機関車は入ることができません。
E&S方式では、着発線の架線への通電を操作によって止めることができます。これにより、入線後速やかに荷役作業を行うことが可能となりました。駅での作業時間の短縮は顕著で、従来駅とE&S駅を比較すると、列車到着後の作業で約83%、出発前の作業で約43%と大幅に短縮されています(石川 2018:9)。
この方式は1981年に岐阜貨物ターミナル駅で初めて採用され、その後全国に広まりました。
貨車の入れ換えを行うということは、時間がかかることもありますが、人員も多く割かなくてはなりません。JR貨物では今年3月に発表した「中期経営計画2023」の中で、貨物駅の作業の見直しについて触れています。また、2022年移転開業予定の新しい仙台貨物ターミナル駅ではE&S化はもちろん、ICT技術を活用した次世代型貨物駅「スマートターミナル」として実現することを目指しており、労働集約型ともいわれる貨物駅での構内作業がどのように変わっていくのかが注目されます。