貨物と荷物の違いって?
2020年12月18日(金)
「小倉さんは貨物が好き」、度々いただく言葉です。実はこれ「小倉さんは電車が好き」と同じで、ちょっとモヤモヤしてしまう言葉だったりします。
なぜモヤモヤしてしまうのか。
先に電車のことについてお話しすると、電車は鉄道車両全般を指すものではなく、貨車や客車、気動車など数々な種類の中の一つとして存在します。私はどちらかというと旅客車については、電気の力で動く電車よりもディーゼルエンジンを回して動く気動車の方が好きなので、腑に落ちないと感じてしまうのです。
さて、本題である「小倉さんは貨物が好き」ですが、これを正しく表すならば「小倉さんは貨車が好き」です。貨車は貨物を運ぶための車両で、コンテナを運ぶコンテナ車や石油類などを運ぶタンク車など様々。貨物が好きという言い方だと、積載しているものが好きという意味になってしまいます。
ところで、貨車は貨物を運ぶものですが、お客様とお話しする際には「お荷物」という言い方をします。そもそも、貨物と荷物の違いは何なのかというのが、今回のお話しです。
鉄道輸送は大きく分類すると、旅客輸送と物品輸送の2つに分かれます。さらに物品輸送は荷物と貨物の2つに分けられ、大まかには、少量で嵩が張らないものや旅客から預かったものは荷物、大きなものや重いもの、専用の車両で運ぶものが貨物と呼ばれます。荷物は手荷物、小荷物、郵便物などに分けられますが、これらの輸送はほぼ廃止となりました。
しかしながら、第53回『意外な形でモーダルシフト?』でお伝えしたように、旅客スペースの一部を使った荷物輸送は輸送路線や列車を限定する形で徐々に復活。近年大きな注目を浴びています。
コンテナや貨車に物品が積載された状態を貨物、物品一つ一つに関しては荷物と呼ばれることが多く、ちょっと分かりづらいですが、あくまでも鉄道においては貨物と荷物は別物となります。
日本の鉄道輸送は1872(明治5)年に旅客輸送から始まり、その翌年1873(明治6)年に貨物輸送がスタートしました。第1回『『運送』でも『運輸』でもない 「通運」って何かごぞんじですか?』でお伝えした、通運の基となる陸運元会社の発足から来年で150年。脈々と続く鉄道貨物輸送の一端を担う通運の魅力を、来年も発信していきたいと思います。どうぞ良い年をお迎えください。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html