大雨などの災害で、線路が長期間不通になったら貨物列車はどうなる?
2023年08月17日(木)
今年も、全国様々な地域で豪雨による災害が相次いでいます。山陽本線では7月8日から降り続いた大雨の影響により盛土の一部に亀裂が発生、13日間運休となりました。その間、広島貨物ターミナル駅・南陽駅~北九州貨物ターミナル駅・福岡貨物ターミナル駅間、宇部駅~下関駅間でトラック代行輸送を行いました。
多治見通運ではトラック代行輸送ルートが設定される前に、いち早くクロスドックを行いました。実施したのは姫路貨物駅。多治見駅から医療材料を積載したコンテナをトラックで運び、北九州貨物ターミナルからやってきたトラックのコンテナを交換。いずれ試験輸送を行う流れではあったのですが、一刻を争う事態ということもあり、リハーサルなしでのトライとなりました。この実績を基に、さらに様々な箇所で輸送体制が整うことを願ってやみません。
多治見通運の関谷社長は、クロスドック輸送体制は様々な駅間で展開できるのが望ましいと考えています。私は当初
「連携する通運会社を増やし、この取り組みを大きくしていくのが良いのでは」
と考えていました。しかし、規模が大きくなればなるほど、各所の意思疎通や合意に時間がかかります。JR貨物がトラック代行輸送を行うまでにタイムラグがあることから、クロスドック輸送という手段を考案し体制を構築したにも関わらず、本末転倒な結果になっては元も子もありません。ですから、小規模なクロスドック輸送体制ポイントが全国各地に構築されるのが、一番望ましく、動きやすいのです。
とはいえ、関門・青函といった、本州との交通の要であるポイントが不通になると、その両端にある通運の業務量は膨大なことになり、クロスドック輸送を行うリソースが残されていないかもしれません。そのような場合には、現在JR貨物とセンコーが共同発注し2024年春に竣工予定となっている内航船のような、いざというときにコンテナを運ぶ別の手段を複数持つことも必要になります。
「線路が長期間不通になったらどうするんですか?」
2024年問題が迫る中、お客様の疑問に胸を張って答えられるよう、通運全体で様々な解決策をもち、それらを共有していくことが、これからますます重要になります。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html