意外な形でモーダルシフト?
2020年11月02日(月)
以前お伝えしたSDGsやカーボンオフセットへの取り組み、そして先日は菅総理大臣の所信表明演説にて
「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」
と、脱炭素社会の実現について触れられたこともあり、地球環境にやさしい鉄道貨物輸送への関心は、ますます高まることが予想されます。
しかし実は、幹線輸送については人気が集中し、輸送枠が取りにくいこともしばしば。そんな時の輸送枠確保のあれこれについては、第18回で書かせていただきました。
輸送枠というのは旅行会社が出しているプランのようなもので、出発駅から到着駅までのルートは積載列車や中継駅(旅客でいう乗り継ぎ駅のようなもの)がそれぞれ決まっています。設定されている枠は、発送日や発着駅などの事項を入力して検索すると、IT-FRENS上に一覧として表示されます。
速達列車はあっという間に枠が埋まることも多いのですが、ぐるりと大回りするルートの列車や、中継駅が多い枠などは、輸送障害が起きた際に影響を受ける可能性もあるので、どちらかというと不人気となります。急がない荷物などをあえてそんな枠に入れ、代わりに急ぐ荷物は直通の列車で…などといったテクニックは使いますが、それでも空きやすい列車というのは存在します。
また、枠の取りやすさは曜日にも関係しています。平日の枠は比較的埋まりやすいですが、日曜発の場合は同じ列車でも取りやすいことも。工場での生産や出荷は平日がメインとなる企業が多く、集荷も、荷物が出そろった平日の午後に集中します。そういったコンテナが日曜発の列車に積載される場合、出発駅で数日留め置かれるということに。結果的に到着まで日数がかかってしまうため、避けられることが多いです。
しかし現在は、あえて積荷の少ない列車を選んでトラック輸送からの転換を行ったり、日曜や連休を選んで特別列車を仕立てる例も増えてきました。空いている枠や運行ダイヤを効率的に使う動きはますます活発化してくるでしょう。
余談ですが、この動きは旅客列車の一部を利用した小口輸送にも広がっています。関東大手私鉄である西武や東武の特急列車に沿線の特産品を載せて、いち早く都心の関連施設で販売されたり、JR東日本でも特急や新幹線に足の速い魚介類を載せ、都内で店頭販売や宅配が行われたり。
これまで
「このルートはトラックでないと」と思っていた輸送が、意外な形でモーダルシフトできることもあるかもしれません。
通運は、普段から複合一貫輸送の手配を行っているからこそ、荷物や着地に合わせた輸送の最適化が得意分野です。少しでも気になったら、ぜひご相談ください。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html