適材適所のコンテナ選び
2020年09月02日(水)
コンテナ列車は、日々様々なモノを載せて全国各地を結んでいます。これまでご紹介したタマネギやジャガイモなどの野菜や、機械部品、お菓子、化学製品など、なんでも運びます。そんな中、ちょっと困ってしまうのが「匂い」の問題。たとえば、ふんわりフローラルな洗剤を運んだ後は、しばらくその匂いがコンテナに残っています。JRコンテナの内部にはベニヤの内張板が取り付けられており、匂いを吸ってしまいやすいのです。匂いが残りそうなコンテナが到着した場合には、その後の集荷も少し気を遣います。食品や紙製品などは匂いを吸着しやすいのでNG。部品や機械など、移っても気にならないようなものを積むよう、配車を組みます。
一度、ドライバーさんから
「このコンテナ、なんだかカビ臭いから次の集荷に使わない方が良いと思うよ」
と助言を受けたことがあります。IT-FRENSで履歴を調べてみると、少し前に他社が青果物を運んでいたのですが、天候不良で到着が遅れたようです。もしかしたら、その際に少しカビが生えてしまい、匂いが残ったのかもしれません。
「じゃあ、コンテナ置き場で天日干ししてもらえますか?」
とお願いし、1日日光浴させてみたところ、無事匂いがとれました。
匂いが強いものの場合は、JRコンテナではなく日本石油輸送さんのコンテナをリースする場合もあります。保温性を高めるため内側がアルミ張りになっており、JRコンテナに比べて匂いが残りにくいのです。
そもそもどうしてJRコンテナにはベニヤが張ってあるのか、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに匂いがつきやすいのは弱点ですが、ある程度の湿気であれば吸ってくれるという利点もあります。段ボールに水分は大敵。中には箱のまま量販店に並べられるものもありますから、湿気で外装が劣化してしまうのは避けたいところ。湿気の多いシーズンの頼れる味方です。また、積卸時の衝撃を緩和してくれるというメリットも。
どのコンテナで運ぶのが良いのか…様々な状況を鑑みながら、適材適所のコンテナが利用されています。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html