Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

通運連携によるクロスドックの訓練を実施《物流の安定供給への取り組み—その2》

通運連携によるクロスドックについて、前回の続きです。5月25日から26日にかけて、南松本駅にてクロスドック訓練が行われました。参加したのは多治見通運・高崎通運・栃木県北通運の三社と今後広島エリアからクロスドックに参画予定の通運であるトナミ運輸中国、JR貨物、そしてリフト業務を行うジェイアール貨物・信州ロジスティクスの各関係者です。

今回の訓練は、東海道本線内で大規模災害が起きたと想定するもので、名古屋貨物ターミナル駅や多治見駅に利用運送事業の登録を持つ多治見通運が、同じく取り組みに参加している倉賀野駅の高崎通運宇都宮貨物ターミナル駅の栃木県北通運のトラックと、中間地点である南松本駅を利用してクロスドックを行い、コンテナを相互に輸送するというものです。

東海道本線を回避できる中間駅である南松本駅でクロスドックを行うことにより、トラックの走行距離やドライバーの負担を減らすことができます。また、通運だけでなくJR貨物も協力して体制を整えることにより、駅のフォークリフトを使って、速やかに作業を行うことができます。

25日は事前打合せということで、JR貨物ならびに多治見通運より、今回の訓練に関する経緯や、小林南松本駅長より駅施設の利用方法の説明などがあり、その後、実際に行うにあたっての課題整理などが行われました。

翌26日は、各通運がコンテナを運び入れ、クロスドック作業を行いました。まずは現地に栃木県北通運のトラックが到着。作業を行うのは駅の奥となりますが、コンテナの伝票を読み込むためのドライバーシステムは構内手前側の駅社屋にあるということで、トラックも手前側に停めて社屋へ。その後多治見通運のトラックも到着したのですが、ここでトラブルが。伝票上において各社のコンテナ持ち出し状態が異なるため、伝票読み込みの順番によってエラーが発生してしまいました。今回は、ドライバーシステムや輸送予約システムのIT-FRENSを日常的に触れるJR貨物の担当者がいらっしゃったほか、各通運の担当者も横についていたので事なきを得ましたが、自社から遠く離れた地でトラブルが起きた時、ドライバー一人だと心細いもの。早速、課題が見えてきました。(敬称略)

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。