クロスドック訓練から見えてきた課題《物流の安定供給への取り組み—その3》
2023年07月10日(月)
通運連携によるクロスドックの話題、今回は3回目となります。前回、伝票の読み込みでトラブルがあったものの、コンテナ積み替えの作業自体は順調に行われました。今回参加のトラックは全て、コンテナを2基積めるもの。まずは栃木県北通運のトラックからコンテナを1基降ろして地上へ。その後互いのトラックからコンテナを入れ替えし、最後に地上に降ろしていたコンテナを多治見通運側のトラックに載せて作業完了。途中で作業を止めて写真を撮影したり、荷姿の確認などを行いましたが、実作業としてはおよそ10分程度。とてもスムースです。
その後、高崎通運と多治見通運の2台目のトラックが到着し、同じように作業が行われました。こちらも、両通運でコンテナを持ち出す際のシステム上の状態に差異がありエラーが。通運とJR貨物で、問題なくドライバーシステムを通せるよう、意見の擦り合わせが行われました。
無事に作業を終えた3社のトラックは、積み替えたコンテナを載せて各駅へと戻りました。一見すると、特に作業上の問題はなかったように見えましたが、今回は一連の操作が円滑に行えるよう、コンテナ置き場にあったコンテナを他所へ分散させていたそう。込み合う時間帯に、トラックが縦列で待機するスペースや作業場所を確保できるかといったことも、後ほど行われた課題整理の会議において議題となりました。構内での具体的な手順については、今後JR貨物を中心にマニュアル化し、当日の作業をスムースに行うための、各通運やJR貨物に事前提出する書面の作成などは、通運側の主体となっている多治見通運が行うということで話がまとまり、会議は無事終了しました。
実運用に向けての課題は多々。空のコンテナは運ばず、必ず荷物を積んだコンテナでクロスドックを行うという前提で行うため、双方のコンテナ数に相違があってはいけません。また、例えばコンテナを6基クロスドックする場合、片方が3基積んだトレーラー2台で向かい、もう片方の通運は2個積み3台で向かわざるを得ない場合も。作業円滑化のため、2社のトラックがほぼ同時に駅へ入構することが求められるため、当日、ドライバーとの連絡をより密にすることも必要です。
自社のみで代替運送を整えるよりも実務の手間や時間、費用がかかるかもしれません。それでもこの仕組みを定着させて育てる必要があると、参加通運である栃木県北通運の岡崎取締役は会議の場で熱弁しました。
次回は参加通運、JR貨物側の熱意やご意見などをまとめ、締めたいと思います。(敬称略)
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html