水分は輸送の大敵!
2020年09月15日(火)
前回(『適材適所のコンテナ選び』)、水分は大敵というお話しをしました。これは鉄道貨物輸送だけでなく、どの輸送でもそうだと思いますが、雨などで積載物が濡れてしまうと、商品価値がなくなってしまうものも多々。雨の日の積み降ろしには特に気を遣いますし、トラックの配車も、降雨が予想される場合には
「ここには屋根があるけれど単車(コンテナ1個積みのトラック)分しかないから2個積みはNG」
「雨だと後ろからしか積めないから、側妻(側面と妻面が開くタイプのコンテナ)で向かって」
等、いつもと違う配車パターンになることも少なくありません。駅でコンテナを積んで、降ろして、別の場所で荷物を積んで、駅で降ろして、また積んで…というリズミカルな業務の、最も身近で面倒な敵は、降雨なのです。
さて、もしもコンテナから荷物を降ろす際に、その荷物が濡れていたらどうするのでしょうか。これは現場によりけりで、お客様のご了承をいただいた上でそのまま受領していただいたり、持ち戻りになってしまったり。濡れていたり箱潰れが起きていた場合は、発通運と着通運で情報を共有します。どのような状況で起きたのか、積み方に問題はなかったか等を発着ドライバーにヒアリングし、原因を探っていきます。その中で、たとえば積んだ日も降ろした日も晴れていたけれど、コンテナのパッキン付近の荷物が濡れていた…などの時は、コンテナ自体に原因がある可能性も。その場合、JR貨物に「シャワーテスト」を依頼します。パッキン劣化などが原因であれば、そのコンテナを使い続けることで、再び荷物の浸水が起こりえますから、速やかに運用から外します。連絡のタイミングによっては、既に他通運が使用していることもあり、その場合はIT-FRENSに、検修入りのため空状態で駅へ戻すよう表示がなされます。駅の検修部門では実際にコンテナへ水をかけてチェックし、問題があれば修繕、なければ再び運用に戻されます。
近年ではゲリラ豪雨などもあり、突発的な降雨も増えています。配車の工夫のほか、状況によりコンテナの下へ紙を敷いたり、袋をかぶせたりと工夫を凝らしながら、水濡れ事故防止に努めています。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html