積み替えステーションの拡充とBCP対策
2024年04月15日(月)
トラックドライバーの時間外労働上限規制が開始。その影響は?
2024年4月となり「2024年問題」としてかねてから懸念されていたことが表層化してきました。配送業務が1日の労働時間内で終わらなくなった、物流施設での待ち時間が拡大している等、様々な声が聞こえてきます。
そんな中、JR貨物が推し進めているのが、貨物駅への積み替えステーションの設置です。
基本的に鉄道コンテナ輸送の場合は、積み荷のある場所まで空のコンテナを載せたトラックが向かい、そこで積載して貨物駅へと運んでいます。
積み替えステーションを利用することにより、自社トラックなどで直接貨物駅に荷物を運び入れ、鉄道コンテナに積み替えをして、鉄路に載せることが可能です。多治見通運でも、引っ越し荷物などで積み替え場所を提供し、普通トラックからコンテナに積み替えていただくということは行っていますが、JR貨物が主体となって(ただし、場所の利用は各通運会社との手続きが必要となります)場所を提供するのは喜ばしいことです。積み替えステーションを利用することによって、これまで積卸を行っていた施設の混雑も緩和されます。
積み替えステーションの利点と災害時の利用
積み替えステーションを設置することにより、災害時などに代行輸送場所としても利用できます。JR貨物の2024年度事業計画の中では、災害等輸送障害時の対応力の強化として、山陽線不通時を想定したBCP対策の促進が挙げられており、代行拠点駅となる新南陽駅の、代行トラック用駐車場の整備という記述があります。駅の大型トラック許容量がオーバーしてしまうと、コンテナを迅速に捌くことができなくなります。そのため整備を行うのですが、他駅の積み替えステーション設置について、同じくJR貨物2024年度事業計画内「既存アセットを最大活用した輸送量の回復」という項目において、モーダルコンビネーション提案事例の図の中心に積み替えステーションがあり、そこには「災害時代行の支援も」と書かれています。
昨年このコラムでも取り上げた、災害時のクロスドック輸送についても、貨物駅内での積み替え場所確保が大きな課題となりました。もしもの時により迅速に対応できる、貨物駅の改良や整備。鉄道コンテナ輸送をバースの問題で諦めていた方にも、朗報です。
多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html